脱亜鉛腐食とは、黄銅中に含まれる亜鉛が何らかの原因でその黄銅から離脱する現象です。
淡水環境下で使用される黄銅材料は、亜鉛含有量が30〜40%の快削黄銅棒や鍛造用黄銅棒で、これらの材料の多くは、ミクロ組織がα+βの2相から成り立っています。α相は銅が多く含まれて、β相は亜鉛が多く含まれています。この黄銅が腐食されやすい特定の水溶液中に晒されると、黄銅中の亜鉛が溶出して脱亜鉛腐食を起こします。
この腐食を促進させる因子として、水溶液の電気伝導度、液温、溶存酸素濃度、塩素イオン濃度、pHを低下させる要因となる遊離炭酸、炭酸ガスの有無などが上げられます。
右記に脱亜鉛腐食している黄銅の金属組織写真を示します。紫色又は黒色部が腐食部です。腐食は結晶粒(α相)の粒界(β相又は亜鉛が多い部分)に沿って進行していることが認められます。 |